Ce sont comme deux grues, selon eux.
2011-06-02



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『舞鶴クレインブリッジ 〜地域社会に根付いた斜張橋〜』
岡本寛昭著
文理閣(2003年)


たいへん技術的なことを書いた本であり、ほんらい私などが手にして読んでも、1行も理解できない内容である。それが、ごくごく部分的に、「うん、そうだよね」と思わず相づちを打ちたくなるような数行を発見したりして、「ああよかった」と胸を撫でおろしたい気になる。いや、べつに、何がよかったわけでもないんだが。

先月、仕事で舞鶴を訪れた。
半世紀近く生きてきたが、舞鶴へ行くのは初めてだった。
出張に先立って下調べは若干したが、私はあまりにも舞鶴について無知であった。知らないことが多すぎて追いつかない。しょうがないから何も知らないまま出かけた。


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「舞鶴引揚記念館」から見た「舞鶴クレインブリッジ」
撮影:マブハイさん(2007年09月19日〜)


半島をぐるっと回るよりも、このクレインブリッジを渡ったほうが近道だ。取引先の営業部長と運転手兼カメラマン氏は、そんな話をしながら車を目的地へ向けて転がしていたが、気がつくと橋と平行に山道を走っていた(笑)。なわけで目的地への往路は遠回りだったが、帰りは間違わずに橋を走った(駄洒落じゃないよ)。橋を走る(駄洒落じゃないよ)車は、われわれだけだった。行けども行けども。橋を渡り終えるちょっと手前で、工事現場に向かうらしきダンプカーとすれ違っただけだった。こんなに交通量が少ないのに、ものすごい橋を建てたもんだなあ。運転席と助手席の二人はそんなふうに感心していた。

上の写真は、ウエブ上で偶然見つけて拝借した。勝手にすみません。

「クレイン」は英語で鶴のこと。この橋のデザインは、二羽の鶴が羽ばたくイメージからできたと、本書に書かれていた。ふうん。鶴だったんだ。
出張の日はあいにくの大雨で、この写真のように美しい鶴の姿は見られなかったが、遠目に橋が見えたとき、私はある場所の別の橋を思い出していた。

それがこれである。フランスのミヨー橋。
写真はウイキから拝借しました。クリックしてね。
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Creissels et Viaduct de Millau (Deutsch: Blick auf Creissels mit der Autobahnbrucke im Hintergrund), Source:Selbst Aufgenommen, Author: Ritchyblack, Date:2009-08-15


この橋の存在を知ったのはそんなに昔のことではない。だいたい完成したのが2004年らしいから、本書『舞鶴クレインブリッジ』の出版より後である。2004年だろうと2005年だろうと、私はクレインもミヨーも知らなかった。たしかフランス大使館とか政府観光局とか関係のサイトかメルマガで写真を見て知ったはずだが、それもほんの3、4年前のことだ。きれいだなあ、どういうわけかこういうもん造らすとなかなかやっぱ冴えてるよなあフランス人め、といったような感想を持ったことを覚えている。


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