「させていただきます」っていうなー!!!
2010-10-01


陸上部顧問のカン爺先生(体育科)は「えー生徒たちはですね、毎年これ、議論になるんですが必ず○○とか■■とかもって行きたがりますけれども、われわれも強く禁止事項であることを伝えますが、ご家庭でもしっかりお話しくださってですね、要らんものを荷物の中に紛れ込ませることのないように、よろしくお願いいたします」と非常に一般的平均的学校的日本語で引っ掛かるところがないのである。

別に私たちは高みから先生がたを見下すつもりは(あるやつもいるだろうけど)まるでないし、自分の子を学校で「お子さま」待遇してもらいたくもない。びしばし厳しく鍛えてほしいと思っているのだが、この英語教員に限らず、学校現場では子どもには優しく接するのがベストだと思っているようである。暴言を吐く子、暴力を振るう子、気持ちの荒んだ子、しゃべらない子。娘の学校には、よくそれだけ問題児がいるもんだねと呆れるほどなにかをかかえた子どもがいるが、けっこう放置状態である。優しく「声かけ」するだけである。「いけないよ」「そうする前に考えてご覧」「話したくなったらおいで」みたいな。

そんなもんビシーっと言うて聞かんかったらバシーっと叩かなしゃあないやろ。(by嶋先生)

学校現場は小中高いずれも「お子さまに優しい」場所になっているようだ。この7月から9月にかけていくつかの高校の説明会に出かけたが、子どもたちがいきいきと個性を発揮できる場所なんです、というのがわりとどこでも決まり文句のように聞かれた。デキる子はよりデキるように。できない子はそれなりに楽しめるように。
そして、各校皆さん本当におんなじような言葉遣いの司会進行で、眠たくて永眠しそうであった。

E《えーでは、ただいまより本校▲▲コースの進学説明会を始めさせていただきます。》
F《司会進行は本校の放送部部長、2年の○田○子が務めさせていただきます。》
G《まずは本校校長の■川■朗よりご挨拶させていただきます。》

最初のほうに書いたABCDは、20代後半から30代半ばの、私から見れば若手社会人さんたちである。この際はっきり言うが、彼らは学校教育においてきちんと敬語を学習してきてはいないのである。使いかたを知らなければ、とりあえず受身形にして丁寧語にしておけば怪我はないと思うのも無理はない。むやみに責めることのできない事実だ。彼ら自身無意識のままハンデを背負って大きくなっちゃったのである。
いつだったかキムタク主演のドラマで、インテリアデザイナー役のキムタクがコンペシーンでこういった。「ではただいまよりプレゼンを始めさせていただきます」
シナリオライター、おまえもか……。て感じ?
いうまでもないがテレビからガンガン襲ってくる言葉は何年も前からもう腐りきっている。どっぷりそれに浸かって(学校でろくに言葉を学ばずに)育った世代にまともにしゃべれといっても土台無理だろう。

しかし上のEFGやウチの中学校の英語教員は少なく見積もっても40代前半から50代である。教員なのである。教壇に立ってきた人たちなのである。普通の会話、普通の説明文くらいは苦労なく話したり書いたりしてほしいのである。
〜させていただきますぅーーという言葉遣いは、モンスターペアレンツへの対処法のひとつとして、教員向けマニュアルに書かれているのではないだろうか。
そう疑われてもしょうがないじゃん?

ちなみに、こう言ったほうが相手の目と耳に心地よく届くであろう表現を書いておく。

A《先日申し上げました以下の書類を郵送いたしますので》
B《このたびは貴重な資料をありがとうございました。大いに活用したく存じます。》
C《私どもが作成しましたこの●●のご紹介にあたり、少し簡単にご説明申し上げますと》
D《●●地区の企業様向けのご案内でございます。従来の電話回線の■■はXXXXとなります。私どもに工事を発注くださいますと、たいへんお得な料金を適用できますので、お電話差し上げた次第です。》

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