2010-03-15
中学一年生のときの担任とは相性がよく、一年間とても楽しくスクールライフを謳歌した娘。この教師は従来非常に生徒ウケのいい人で、娘だけでなくどの生徒からも好かれていてクラス運営はたいへんうまくいっていた。ウチの娘と親友のさくらは中一の終わりに「一年間ありがとうパーティー」を企画した。この二人をはじめ、女子生徒の大半、男子生徒の一部、そして担任本人も含め、みんなで大泣きしたそうな。ははは、美しいなあ、青春だなあ。娘から話を聞いて、なんとほのぼのした学校だと嬉しくなった。
小学校6年のとき。女子児童はおしなべて男子よりおませで背伸びした行動をとる。が、ウチの娘のように普段から男子が遊び相手で、他の女の子の何倍もガキっぽいと、そのようにおませさんになっていく友達についていけない。5年生まではキャイキャイゆって一緒に遊んでいた子らが、6年生になると話題が変わってしまって一緒にいても楽しくないのだ。いつのまにかクラスには「○○子派」と「△△ちゃん派」とかができて、対立甚だしく、裏切っただのチクッただの不穏ワードも出始めて、ウチの子には「さっぱりわけわかりましぇーん」状態になっていった。そういう話を聞くたびに、「で、さなぎはどっち派なん?」と水を向けるが、「どっちの中にいてもつまらんし、寄ってへん。キョーカは○○子組で、真理奈は△△ちゃん組やし、いろいろ聞くけど、それがどうしたん、てゆー感じ」。キョーカとは一緒に駅伝大会を目指して放課後練習に参加していたし、真理奈はバレエで一緒だ。この子たちと仲良くするために派閥に入る必要があるとは全然思わないからどっちにも寄らずにいると、世の中うまくできたもので、おませな女子についていけない男子がウチの子とは遊んでくれていた。問題はなかったけれども、派閥の長である○○子と△△ちゃんのことは、やはり非常に嫌っていた。○○子と△△ちゃんさえいなければクラスはもっと平和なのだ。まったくもってこの二人はトラブルの種をまき続けたらしい。娘は、中学一年生のクラスにもし○○子か△△ちゃんがいたら、その一年間は死んだも同然、もう中学校生活なんて楽しまない、どうでもいい。などとかなり本気でいっていた。
しかし中一のクラスに○○子と△△ちゃんはいなかった。ラッキー! この事実は、おおげさなようだが娘の中学校ライフの滑り出しを非常によくしてくれた。担任の先生は面白くて素敵、クラスメートのなかには変なやつもいるけど、同じ陸上部に入る子が何人もいて、その内のひとり、さくらという親友もできた。
というわけでたいへん幸福な一年間を過ごして迎えた二年目。
新しいクラスには△△ちゃんがいた。……暗転!(笑)
「天敵と一緒やん(笑)えらいこっちゃ」
「うん、でも、知らん顔しとく(大真面目)それより陸部誰もいいひんの、最悪!」
なんとなくぱっとしない気持ちで迎えた新学期だったのだが、のちに出てくるけれども、クラスには△△ちゃんなど問題にならないほどの強敵が揃っていた。そのことの深刻さを、娘は間もなく思い知ることになる。
担任は、他の中学から異動してきた西原先生。娘のひと言:「冴えへんオッサン」
これ、先生のことをそんなふうにいうもんじゃありません! といってはみたが、春の家庭訪問のときの第一印象は、右に同じ:「冴えへんオッサン」(笑)
しかし、新学期になってまだひと月にも満たないというのに、つまり西原先生にとって初めて見る子どもたちとまだわずかな時間しか共有していないのに、先生はウチの子のことをちゃんと把握していたのだった。あ、とりあえずまともな先生だ、と私は安心した。
「負けず嫌いで、正義感が強そうですね」
「几帳面で、なんでもきっちりしないと気が済まないんですね」
「教室内での動きもきびきびしています」
「陸上部でも人一倍頑張っていますね」
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