でも訪問した実家では、彼らはまったく動かない。姑と義姉が忙しそうに立ち働いているのを見ると「お客様の私も手伝わないと悪いかなあ」と思うそうだ。思うけど、これ運んで、それ盛りつけて、なんて「用事をいいつけられると、何で私が、と思う」そうだ。
注連縄や鏡餅の役割を知っているかという質問には「魔除けでしょ」といい、どんな正月飾りをどこに置いているかを聞くと「ウチではそういう季節のお供えの場所は決まってる」とか「みんなの目につきやすいテレビの上」とか「いっさい飾らない」。
ことほど左様に、お正月は虐待されている。そしてクリスマスは歪んだ優遇のされ方をしている。
日本古来の伝統を何が何でも維持しなくては、などというつもりはない。
岩村さんも、そんなことは言ってない。
でも、このように、「格差」が見える二大イベントの食卓は、どちらもやはり貧相なのである。どちらも「外注」なのである。
食が貧しいと、心身の発達に影響するのだぞ。
自戒も込めて、いう。食卓を見直そうよ。
私はスローフードとかロハスとか、なんとかビオとかには興味はない。
でも、やっぱもうちょっと、立ち止まって考えて、食卓を用意したい。そう思ったのだった。
内田さんのサイトで今日、本書関連のイベントが紹介されていた。
東京方面の方、ぜひどうぞ。
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