そして京都を愛してやまないのだった。
知れば知るほどその奥深さの深みにはまって蟻地獄的状態なの、などと言う。京都への愛はつきないのであった。
京都を深く愛してくださるのはよいが、「ご家族みなさんばらばらなんですね」。寂しくないですか、と尋ねた私に「連絡網はバッチリよ!」と得意満面でいう。
家族はそれぞれが遠方で暮らしているので「ヘタすると息子なんかすぐ音沙汰なしになっちゃうでしょ」。家族の絆を安易に断たないために始めたインターネットは彼女たち家族にとって「便利よ〓」 このうえないツールだったのだ。
「なんでもメールで知らせ合うわよ。家族だけがアクセスできる掲示板も持ってるし」。ふーん、そんな使いかたもあるのか。当時すでに仕事でインターネットを利用していたのでどういうものかを知っているつもりだったが、私はインターネットとはあくまで産官学連携の便宜を図るものでありその情報共有を促す目的で存在すると思っていたのが、一般家庭でフル活用されているとは。
彼女宅で契約しているプロバイダがASAHIネットであった。
「インターネットでね、趣味のお友達もできるわよ!」という彼女は、京都探訪記を綴っているとも言っていた。それが公開されているのか、家族間の閉じた場だったかは聞かなかったけど。とりあえずとても楽しそうで、しきりにASAHIネットへの加入を勧めるのであった。理由は、「友達紹介したら3000円」キャンペーン中だったからだ(笑)。「私は3000円もらえるし、あなたは何か月か無料になるわよ」
そろそろ家でもネットにつなぎたい とちょうど思い始めたときだったので、彼女の説明をひととおり聞いて「まあ、これでいいか」と即座に判断したわけである。
ほかのプロバイダ については何の調査も検討もしなかった。
我が家での「インターネットライフ」は突然始まって、思いのほかスムーズに滑り出し、彼女も3000円のショッピングボンドを受け取った。めでたしめでたし。