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周囲ではそれなりにいろいろなことが起こり、仕事もあるものは順風満帆(ありがたい)、ある企画は流れ(残念)、ある刊行物はクライアントの気まぐれで打ち切り(なんだよ)、通りたくないコンペティションに限ってプレゼンが評価され(世の中そんなもん)……なんて日々を、海上の嵐なんか関係ないわとゆったりゆうらり泳ぐウミガメのようにやり過ごし、何年かぶりに会ったからと言ってはしゃいで盛んに連絡してきていた友人がぱたりといきなり音沙汰なくなったり(いったいどうしちゃったんだろ)、失恋で呻いていた同僚に新しい彼氏ができたり(ほんまめでたいわ)、迷惑メールに紛れてしまっていた大切な友達からのメールを消去せずに救出できたり(ああほっとしたあ)、可愛い猫さまが全然お食べにならないので何事かと獣医に連れて行ったり(なんでもなかった、よかったあ)、お母さん、カフェやろうよと言い捨てて一人娘がアメリカへ旅立ったり(ったく思いつきでもの言うな)。
いろいろなことが起こるんだけど、退屈だ。カフェやりたいよぉウチもぉ〜とつぶやいて今USAを謳歌しているあの娘がいないということがこんなにも退屈を呼ぶとは思わなかった。いや、本当は予測できたけど(笑)。ほんとに私って、ヤツがいないと三文の値打ちもない。私の人生における優先順位の第一位から最下位まで、娘が占めている。最下位のまだ下の、問題外ランキング(ごめんな)に扶養している母と猫と、肉親である弟一家や親族一同、そして、お世話になってる地域の面々が並ぶといったぐあいだ。もちろん、問題外ランキングの順位は事情によって上下するし、ときには最下位まで占める娘mattersの一角に割り込むこともある。それは臨機応変に捌くこのワタクシ。(あ、忘れていたが問題外ランキングのさらに下のほうには仕事も並ぶ)
しかし、先週の金曜日早朝、ヤツが旅立っていってから、優先順位第一位から最下位までのヌシが不在なのである。不在をいいことに金曜の晩は友人たちと飲み、土曜は美術鑑賞と久々のイタリアンディナー、震災から一年のあの日曜日には好きな映画を一日中観ていた。昨日の月曜日には水族館の内覧会に招かれイルカパフォーマンスに拍手もした。さらに明日は抜歯の予定である。いや、それは娘の不在とは関係ないが。
そんなにあれやこれやとあるのに、退屈極まりない。
アメリカでどうしてるんだろうと心配だが、とりあえずざっくりした行動報告は学校のブログがしてくれているので、それを見る限りほとんど変わったことはなく予定どおり旅程は進んでいると見える。個別に問題起きたら、またそれが命にかかわるなら、個別に連絡が来るだろうし。なーんもない。何もないことを喜ばねばならないのだが、退屈だ。親とはまこと勝手なもんである。親とはまこと子どもなしでは存在意義のないもんである。
そんなわけで、今、少し仕事もゆるいので、早く帰宅し、早く寝て、ギリギリまで寝ている。お弁当作らなくてもよいし。いや、べつに、自分だけにつくってもいいんだけど、近所によいお店がぽこぽこできているので、「偵察しといてよ」との命が下っているのだ。誰から? いわずと知れた「カフェをやりたがっている」娘である。なもので、おひるごはんはカフェ飯三昧しているこの頃。