年の始めから食べまくっている私たち。身体測定、どうだったかな?
2010-01-07


もちろん、「スポーツ選手」以前の、健康な子どもの体力づくりや基礎トレーニングに関するものは、昔から闇雲に読み漁った。駅伝大会を目指すと決めた小5のときか、バレエ教室でポワントを履くようになった小4の終わりだったか、きっかけは忘れたけれども、残念ながら、専門家でもコーチでもないただの母親が読むに耐える書物にはなかなか出会えなかった。それらはともすれば小学校教員用、養護教諭用、体育教師用、スポーツコーチ・インストラクター用、トレーナー用、はては、プレイヤー本人用、なのであった。また、ウチのお嬢さんの環境はある意味けっして悪くなく、そうした本の面白そうなページを見せて「こんなんやってる?」と聞くとたいてい答えはイエスであった。周囲の大人たちは十分に検討してエビデンスのあるトレーニング法を用いて指導してくれているのである。

それでも何かがうまくいかなくなったときには、べつの視点からちょっかいを出して気分を紛らすことも必要だ。もはや私の役目はそのへんにしかない。たとえば手当たり次第に読んだ本のうちのどれかに「ナンバ」歩行がよいというのがあった。確か末続選手がそれでタイムを伸ばしたと書いてあった。また重力を味方にして地を這うように走るのだ、というくだりもどこかにあった。そう書いてあるからといって、だからそうしろというのではなく、そんな考え方もあるということをときどき入れ知恵することで、気持ちの切り替えの助けになったり、打開のきっかけになったりするかもしれない、と母親は自己満足するしかないのだが、それでいいんじゃないかと思っている。

個人的にたいへん面白かったのは、『最強ランナーの法則』。短距離の伊東浩司と世界マラソン金メダリストの鈴木博美夫妻の共著である。短距離・長距離の基礎トレーニング指南書だが、頂点に立った者だけが知る身体と精神の興奮が伝わってくるような、読後感のよい本であった。ウチのお嬢さんにいうと「その二人の子どもっていい《中距離》選手になるんちゃう」。足して2で割ったらそうなるな(笑)

で、暮れに読んで面白かったのが冒頭に掲げた『コアトレ』だ。著者は元短距離選手だった人で、経歴を見ると私とさほど歳は変わらない。とするとただただ練習量の大小がモノをいい、どのくらい「重い」ウエイトトレーニングをしたかで結果を問うような、そんな時代に選手だった人である。苦労や挫折のあったことだろうなあ。

「コア」とは中心軸のことなので、本書では脊柱に着目せよといっている。脊柱は人間の心棒といっていいが、ただの棒ではもちろんなく司令塔である。「体でわかる」なんていう曖昧な表現を私も好んで使うのだが、それはすなわち「掌から伝わってきたこと」「お腹にずしりと響いたこと」「胸をぐさぐさ刺されたこと」「背中がじんわり熱くなったこと」などが情報として脊柱まで達したことに他ならないのであろう。それらに対し脊柱が何らかのサインを発するのであろう。脊柱が守る脊髄は、糸のような神経を触手を伸ばすように送り出し、椎間板を通って内臓や筋肉に届かせる。実際には一方通行なのだろうが、双方向通信だと思いたい。頚椎、胸椎、腰椎、仙骨・尾骨からなる脊柱は、司令塔どうしの一大通信網をなし、身体機能を司っているのである。

これに基づいて本書では、体に不具合が起きるとき、つまり、ケガや故障にならないまでもなんだか体が硬いとか、近頃妙に張りを感じるとか、そうした場合はこの通信網がどこかで停滞していると考える。必要なのは湿布を貼ったりやたらマッサージしたり、ましてや練習を増やしたりすることではなく、脱力し脊柱をリラックスさせることである。まずは脊柱を解放し、情報の通りをよくしてやることである。抽象的な表現に終始して申し訳ないが、誌面ではそのためのエクササイズが写真つき解説で100種類紹介されている。いろいろと道具が必要だが、幸い我が家には、数年前、なぜかばあちゃんが買ったストレッチポール(円筒形ウレタン)はある。さっそく試してみよう。


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