許せないやつ 筆頭
2008-09-23


『ロシア 闇の戦争
 ――プーチンと秘密警察の恐るべきテロ工作を暴く――』
アレクサンドル・リトヴィネンコ、ユーリー・フェリシチンスキー共著
中澤孝之監訳
光文社(2007年)


貴重な貴重な休日が仕事で潰れてしまった。非常にむかっ腹が立つ。むかっ腹が立つついでにとにかくこの世でいちばん許せない奴の話をすることにした(笑)。

ラシーヌとか、ラコレデュノールとか、リズラエールとか、レゼタズュニとか、国家そのものを解体してしまえと日頃から憎憎しく思う国は多々あるが、それらの国の国家元首たちには個人的な憎しみはほとんど持っていない(ふつう、持ちません。笑。私の場合「ほとんど」がつきますが)。だってラシーヌがラシーヌたるのはべつにコキントーのせいじゃない。彼の笑顔は気持ち悪くて好きじゃないけど、誰が主席になっても私は気持ち悪いと感ずると思うので、それはいい。ラコレデュノールの場合いまの老いぼれより悪党なのはいまだに遺体が完全保管されているというオヤジのキムイルソンだ。リズラエール、レゼタズュニについてもラシーヌに同じ。レゼタズュニったら、もうすぐ新しい大統領が決まるんだね。国民は皆わくわくしてるんだろうね。私はマケインが勝つと思う。あの国の人たちは、市長や州知事くらいならカラードや移民を選んでも、大統領には絶対選ばない。人口比で上回ることがない限り、欧州由来の白人しかトップに立てないと思う。ま、そうはいってても、カラードや移民が増えていくには違いない。そして、ある一定の場所にかたまるようになると人口分布に特徴が出て、その地域が独立を画策するかもしれない。そのときに50州をまとめる力量のある人が大統領なら何も起こらないだろうケド。
あ、わが同盟国についてはどうでもいいんだった。

ロシアという国家はどうか。逆に、私は、ロシア共和国連邦という大きな共同体じたいを憎憎しく思ってはいない。豊かな文化を湛える国家体であり、それは今も変わらない。ソ連の解体以降独立した国、できなかった国、それぞれ事情はあろうが、独立した国は国際社会の一員として振る舞えばよく、独立できなくて共同体内に残った国はロシアに助けてもらえばいいのである。

ふつうはそうするのである。会社は、結婚するとか起業するとか理由はなんであれ辞めた元社員は追わないのである。辞めた社員は新しい環境で頑張らんといかん、それだけである。辞めずに居座る社員については辞めさせたくても辞めるといわない以上保険を負担してやり給与を払わねばいかんのである。そういうもんである。

しかしプーチンは、自分のところから出て行った人間を許さないのである。どこまでも追う。抹殺するまで追う。追い続ける。ソ連から独立した国々の弱みを握り続け、命綱を制御し続け、監視下に置き続ける。ロシア共和国内残留組が独立を唱えるのは許さない。ふん、ロシアから離れたければ離れるがいい、死をもってな……というわけでチェチェンはプーチンに虐め抜かれている。


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