生きていこうな!
2008-05-28


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坂口恭平は建築家で、路上生活者を追ってその驚くべき工夫満載の暮らしぶりを一冊にまとめた『TOKYO 0円ハウス 0円生活』を今年1月に出版したそうだ。エッセイ「根源的な家」の中でその内容を紹介しているのを読み、さっそくその本を図書館に予約した。ほんの十数人待ちだったのに、まだ順番がまわってこなくてちょっとじりじりしている。

図書館では『ホームレス中学生』に1200人超の予約が入っていて、相変わらず人気ナンバーワンである。娘は担任の先生から借りて、朝読書の時間に読んでいる。「けっこう面白い。思っていたほど悲惨な話じゃない。まだ真ん中あたりまでしか読んでいないけど」。ウチの子に読めるのだからかなり平易な内容と推察されるのだが、いずれにしても、彼女が『ホームレス中学生』を読み終えその余韻をまだ保っているうちに、早く坂口の本を手にとって、娘と一緒に読みたいのである。

死にたくなる、死のうとする心理と、ホームレスという生き方は、紙一重であるかもしれないけれど、次元も異なる。自殺の理由はさまざまで、そこにたどり着くみちすじのありさまや、たどり着いてしまったときの精神状態なんて、ただ惰性で生きているだけの人間にさえ、理解できるものではない。ましてや、なんであれ生きようとしているホームレスとの間には、大きな乖離が存在する。そのことを話してみたいからだ。



ところで、蛇足だが、同じ雑誌の中に「本屋大賞、欲しいです」と題する山崎ナオコーラのエッセイも所収されている。何書いてんの?と言いたくなるような文章である。今をときめく人気作家だというのに、初めてわたしが出会ったのがコレとは、つまり山崎さんとわたしはご縁がなかったということね、と思うことにした。

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[まがじん]

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