A lire!
2012-11-21


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『原発を止める55の方法』
別冊宝島編集部編
宝島社(2012年)


中学生の時に使っていた英語の教科書とたいして変わらない厚さだし、書き手ひとりあたり2〜4ページなのでひとり分の意見を読むのに数分で済むし、毎日ひとり分ずつ読むペースでも55日、ちょい読む時間を長めに確保して2〜3人ずつ読めば3週間以内で読めてしまう、その程度のヴォリュームなので、しかも630円だし、しゃっと買ってしゃしゃっと読んでしまおう。

私は、左サイドバーにリンクを張らしてもらってるブログ「がんばれ福島原発」さんで本書を知り、そこのブログ主さんも書き手のひとりだと知って速攻で買いに走った。で、すぐ読んじゃった。もちろん、そのブログ主さんのページをまず最初に。

宝島社の気持ちもわかるんだけど、巻頭に菅直人をもってきたのは失敗だったんじゃないかなとなんとなく思うんだがどうだ? 私は菅ちゃん嫌いじゃないけど、やっぱ首相として上手に采配ふるったとはいえないし、結果として彼の在任期間中の仕事、そして退任後の発言といったものはなにひとつ社会にも政治にも行政にも影響を与えていないという事実は悲しすぎるだろ?

菅ちゃん嫌いじゃないけど全然好きでもない。私は現状の太陽光発電には賛成したくない。風車による風力発電にも反対だ。だからこれらを積極的に推進するという立場はとらないし、そういう主張の人とは距離を置く。置くが、まずは原発をやめなきゃならないという点で意見の一致をみるなら、今は手を携えなくてはいかんだろうと思っている。

1. 現在稼働中の原子力発電所を停止させる。
2. 停止している原子力発電所を速やかに廃炉にする。
3. 新規建設中の原子力発電所の工事を中止する。
4. 建設許可が出ている原子力発電所は着工しない。
5. 核廃棄物の行き場所を決める。

こんだけ成し遂げるのに、いったい何年、何世代の時間を費やさねばならないだろうか。気が遠くなる。遠くなるけど、成し遂げなければ日本の未来も人類の未来も地球の未来もない。仮に無事成し遂げたとして、それから新エネルギー政策を議論していたのではもちろん遅いから、今から準備しとくに越したことはない。ないが、なにがなんでも太陽光、なにをさておいても風力、では行き詰るのは目に見えてるやん。でもきっときっと、この国の賢い賢い科学者たちが新しいエネルギーについて名案をひねり出してくれるに違いないと期待している。

ところで、「がんばれ福島原発」のブログ主さんは、福島原発で仕事をされていた元現場主任さんである。原発の配管の専門家である。そのかたも本書には、専門的見地から寄稿されている。
表紙上部に名前が連ねられているのはすっかりおなじみの著名人たちだ。だが、本書に収められているのは著名人による夢と希望論ばかりではない。地に足着いた真摯な意見も多いので、ぜひ買って読んでほしい。さまざまな角度から論じなければならないということを、理屈だけでなくしっかりと知るということだけでも、この本を手に取る値打ちはある。


ところでところで、今日はこんな記事を見つけた。

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[URL]

オーストリアはなぜ原発の閉鎖ができたのか?(大貫 康雄)
2012年11月21日 大貫 康雄


運転直前閉鎖した原発で太陽光発電

オーストリアが70年代に建設した「ツヴェンテンドルフ原発」は、巨額の経費をかけた末に、完成直前に国民投票で閉鎖された。
以来、この「元原発」はオーストリアの非原発・脱原発政策の象徴となり、各国から見学者が多く訪れる施設となっている。その閉鎖の33年後、電力会社と地元の人たちとの共同事業で元原発が、新たに太陽光発電基地としても動き出した。
オーストリアでも70年代は多くの人が原発の安全性に疑問を持たず、与党、最大野党の双方とも原発推進だった。

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[まがじん]

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