"Tu as l'air triste..."
2011-02-02


チュニジアでびっくらこいてたらあれよあれよという間に周辺国に飛び火して、今はエジプトが大騒ぎである。
ベン=アリは23年、ムバラクは30年も権力の座にいた。そりゃ、とっくにご退場願って当然だったが。
「ようそんな長いこと、いられるもんやな」
「大統領の権力が大きすぎるねん、たぶん」
「選挙、しゃはらへんの?」
「しても票の操作してたかもしれんやろ」
「そんなん、いつも勝てるやん、意味ないやん」
「独裁政権ていうのはそういうもんさ。日本もついこないだまで自民党の独裁政権が50年続いてたんやで」
「総理大臣は変わってたやん、それもいっぱい。しょっちゅう」
「総理大臣って自民党総裁やろ。そんなん町内会長と一緒で回り持ちやん。ほんでなんにも権限ないやん」
「権限ないし、独裁者違うやん」
「日本の総理大臣は全然独裁者と違うよ。アンタとこの学級委員のほうがまだ権限あんのちゃう? 独裁者なんは党やねん。一党独裁やってん。ま、ある意味中国共産党と似たり寄ったり」
「民主党になったっていうのは凄いこと?」
「そんなふうにゆーてるけど、民主党なんかその生い立ち、自民党の甥っ子みたいなもんやって実は一目瞭然なんやけど、なんで誰もそういうことを言わへんかったんかなー」
「てことはたいして変わってへん、民主党になっても?」
「変わってへんやん。なんかどんくさいの、一緒やん。後先考えんと無理矢理通したらあとは野となれ、みたいなとこ、一緒やん。首相がいちばん頼りない人材ぽいってとこも一緒」
「ふーん」
「チュニジアやエジプトでああいうことになっているのは、国家元首が好き放題してきて、逆らうようなこと言うと粛正されそうやったからみんな黙らされてきたところ、不況とかいろいろ合わさって我慢できなくなったってとこやろ」
「日本も不況やけど」
「日本は言いたい放題言えるやん。ああいう国では新聞やテレビも大統領の顔色見るし、大統領検閲あるし。不況ってゆーても経済力ある日本の不況なんて世界から見たらままごとやし」
「チュニジアのんは、なんでジャスミン革命っていうの?」
「国の花なんかな? 名産品なんかな?」
「沖縄でジャスミン茶買うてきたやん。さんぴん茶っていうけど」
「暖かいとこで咲くんやな、きっと。チュニジア、行きたいなあ」
報道にRevolution de jasminという語が出始めて、暴動の映像にはそぐわないなあと思いつつ、私は少女の頃によく聴いたイルカの「君は悲しみの」という歌を思い出していた。……僕はいつも疲れてた/そんな時熱いジャスミン茶の湯気の/なかに僕をそっと眠らせてくれた/君は安らぎの人……ジャスミンの香りはとても東洋的だと、私は勝手に思っている。チュニジアでの「革命」にこの名がつくことに覚える違和感は、そこにも理由がある。しかし、「君は悲しみの」を歌っていると、なんだか、もしかしてこれってぴったりやん、と思うのだ。
僕は僕のことしか見えなかった
君が泣いてるなんて知らなかった
君は僕のために生きてくれた優しい人
君は悲しみの
君は悲しみの
君は悲しみの
安らぎの人
「僕」はベン=アリで、「君」は国民……違うか(笑)。
2番では、「僕」はふらっと家出して、いきなりまた「君」のところへ戻る。ベン=アリ、戻る?(笑)そりゃ、ないよ……でもあるかもね。
ジャスミン茶飲んで、寝よ。
[おもったこと]

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