2007-01-15
土曜日、バレエの発表会用プログラムの撮影が指定の写真館で行われた。
撮られるのはもちろん私ではなく、小学生の娘。
ご本人は写真館の控え室で本番用の衣装に着替え、舞台用メイクを先生にしてもらって、カメラの前に。
親どもはその様子は見せていただけない。外で待機。
共演するほかの少女たちと一緒にはい、ポーズ。
視線はこっちね、肩を下げて、指先をエレガントに、自然に笑いなさい、などなど先生やカメラマンの声が飛んでいる。
教室の若い講師の一人が、私に目配せをして、「いちばん可愛いですよ、内緒ですけど」とこっそりささやく。
と、他の親にも言っているに違いない。
と、わかっているけど親は悪い気はしない。
(ふふ、やっぱりね。うちのコがいちばん)
バレエ教室に子どもを通わせる親の多くが、教養のひとつに、とか、ピアノ・英語と三つで必須お稽古3点セットよね、みたいな意識でいるようだ。
体を動かしたり、踊ったりすることに興味のない子どもは、いずれバレエを習うのが苦痛になる。学年が上ってくると、そういう子どもは傍から見ていてわかる。
親との話し合いがついて止めていく子も多いが、中には厭々続けている子もいなくはない。「トウシューズを履いて発表会に出るまでやれっていわれてる」とか。ま、いいんだけど。
また、高学年になると技術の優劣に差がついてくる。
どう見ても、あまり向いていないと思われるお嬢さんでも、「(家族は)みんなすごく上手だっていってくれる」から続けていたり。ま、いいんだけど。
幸い、ウチの子は踊る(動く)のが好きでしょうがない。
うまい下手はいいっこなし。とにかく暇とスペースさえあればステップを踏み、足を上げてくるくる回っている。バレエ風に踊っていたはずが、いつの間にやら格闘技風、マッスル風の振り付けになっていたりする。
視線は宙のどこかに向かい、何をイメージしてるのやら皆目こっちにはわからないが、何にせよ楽しそうで、幸せそうだ。
こんな表情なら、正直、誰にも負けないフォトジェニックだと言い切れる(親バカ)。
飽きずにこんなふうに踊っているあいだは、「(費用が)高くつくからやめてくれ」とはいうまい。とにかく彼女は、踊ったり、走ったり、跳んだりしているときがいちばんキラキラしているから。衣装が似合うとか、化粧が映えるとかでなく。
そう自分に言い聞かせるビンボーな親である。
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