チェチェンニュースからのお知らせ再掲&追記
2010-04-02


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モスクワ地下鉄テロ「プーチン氏に報復」 武装勢力声明 朝日新聞
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モスクワ地下鉄爆破テロ:イスラム系武装組織が犯行声明 毎日新聞
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などなど。

マスメディアの情報には、重要なディティルが抜けていたので、カフカスセンターの元記事を読んでみた。
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『声明の中でドッカ・アブ・ウスマンは、地下鉄への攻撃が、2月11日に、イングーシのアルシュティ村で、貧しい住民たちが野生のガーリックを摘んでいた際に、ロシア侵略者が虐殺行為を行ったことに対する復讐であり、懲罰だと明らかにした』

こういう事件だった。
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ロシア特殊部隊が14人の市民を殺害した。ヘリによる空襲で、武装勢力20人だけでなく、ギョウジャニンニクを摘みに山に入った一般市民が殺害された。

今回の声明で、あのとき犠牲になった人々の「報復」なのだという主張はわかった。各紙がそれを見出しにしている。
しかし、やはり振り返りたいのは、チェチェンでどれだけひどい人権侵害が起こっていても無視するのに、モスクワで爆破事件が起こると一大キャンペーンが始まることだ。マスメディアというものが抱える、なにか構造的な欠陥があるのだろう。

チェチェンに対する戦争が低調になると、今度はダゲスタンやイングーシに拡大してきた。一見これは「テロリストがチェチェンから出てきた」ように見えるが、それは違う。
チェチェンでの弾圧の激しさもさることながら、コーカサスの他の地域でも大規模な人権侵害や虐殺が(今回のニンニク摘みの件のように)あるから、やはりそこでも抵抗の武装蜂起が起こっているのだ。「北コーカサスにテロリズムが広がっている」という最近の言い回しには、注意が必要だ。
復讐という言葉が出てくると、かならず訳知り顔に「復讐の連鎖を断て」とか、「テロに屈してはならない」と言い出す人がいる。はっきり言って、それは間違いだ。
独立を宣言したチェチェンに対する徹底した弾圧がなければ、こうまでこじれることはなかった。暴力は円環状に続いているのではなく、始点がある。それは、1991年に、ロシア内務省軍がチェチェンに進駐したときに始まっている。最初の間違いに誰かが責任をとらなければ、抵抗も、人々の憎しみも終わらないだろう。
一方で、ロシア側が、どんな謀略を使って「テロ」をおこさせるかということも、考えてみなくてはいけない。モスクワ劇場占拠事件を挑発したのは、ロシア側が送り込んだスパイだった。

2004年に、ベスラン学校占拠人質事件の裏面についてのエレーナ・ミラシナ記者の記事が翻訳された。ぜひ読んでほしい。(大富亮)
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